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精神科 くすりのはなし⑫ エビリファイ(アリピプラゾール)

 エビリファイ(アリピプラゾール)は第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)です。ドパミンの量を適切に調節する薬理作用があるため、ドパミン・システムスタビライザー(DSS:Dopamine System Stabilizer)と呼ばれます。

 

 ドパミンが過剰な場合はその働きを抑制し、不足している場合はその働きを補う働きがあります。加えて低用量では気分の落ち込みを持ち上げ、高用量では気分を抑える効果が期待されます。

 

 また、気分の波(気分の山と谷の落差)を小さくして、気分や感情を安定させる作用も期待されます。このためエビリファイでは、統合失調症に加えてうつ病・うつ状態や双極性障害(躁状態・躁うつ混合状態)、自閉症スペクトラム症での易刺激性、衝動性のコントロールが困難な状態(認知症や青少年の行動障害など)、チック(慢性的なチック)などにも効果が期待されます。

 

 エビリファイは副作用が比較的少ない分、鎮静作用(衝動や興奮を抑える作用)も比較的マイルドとなります。そのため統合失調症の興奮が目立たない方に使われることが比較的多いです。エビリファイは幻聴や妄想などの陽性症状だけでなく、意欲減退や感情鈍麻といった陰性症状、認知機能障害や感情障害にも効果が期待されます。

 

 エビリファイは低用量ではドパミンの働きを強め、高用量ではドパミンの働きを抑えるため、低用量ではうつ病・うつ状態の方に、高用量では躁状態の方に処方される傾向です。

 

 

<エビリファイのメリット>

 陰性症状や認知機能の改善

 副作用が比較的少ない

 気分安定作用

 1日1回の服用でよい

 ジェネリックあり(リーズナブル)

 

<エビリファイのデメリット>

 鎮静作用がマイルド

 陽性症状を増悪させるリスク

 副作用にアカシジアが多い

 

<主な副作用>

アカシジア(28.1%)

体重増加(10.1%)

振戦(9.4%)

傾眠(9.0%)

不眠(7.3%)

便秘(5.6%)

 

※アカシジアの原因は、脳内のドパミンの働きが抗精神病薬などによって過度に遮断されることが一因だと考えられていますが、ドパミン遮断作用のないお薬の副作用としても生じる例が報告されており十分には解明されていません。

 

 

  うつ病が疑われる症状(食欲の異常(食欲不振、食欲低下)、睡眠の異常(眠れない)、そわそわする または 身体が重い、疲れやすい、自分を責める、思考力、集中力の低下、死にたい、消えてなくなりたいと思う)、統合失調症でお悩みの方は、銀座スピンクリニック 精神科 心療内科へ一度ご相談ください。

 当院では一人一人の状況をお聞きし、依存性の少ないお薬から処方しております。 

 

 

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