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精神科 心療内科 漢方外来 漢方薬のはなし⑪ 葛根湯(かっこんとう)

 葛根湯(かっこんとう)(ツムラ1)は、感冒薬としてよく用いられる昔からなじみの深い漢方薬のひとつです。基本的には体力がある「実証(じっしょう)(=体力や抵抗力が充実している)」人に向く薬で、かぜの初期などの頭痛、発熱、首の後ろのこわばり、寒気がするが汗は出ないといった場合に有効です。

 

 「葛根湯」は発汗を促すことで熱を下げ、かぜを治そうとします。最近の西洋医学的な基礎研究でも、抗炎症作用などが確かめられています。基本的に急性期に用いる薬で、使うのは発病後1~2日が目安とされています。

 「葛根湯」はかぜに限らず、鼻炎、頭痛など、炎症が起こって熱が出るような急性の病気の初期にも広く使われます。

 「葛根湯」は、発熱がなくても、うなじや背中が緊張しているようなときにも用いられます。慢性頭痛、なかでも緊張型頭痛や、肩こりの治療でもよく処方される薬です。

 「葛根湯」を服薬することで、体が温まりこれらの症状をやわらげます。

 

 

保険適用

感冒

鼻かぜ

熱性疾患の初期

炎症性疾患、肩こり

上半身の神経痛

蕁麻疹

[自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こりなどを伴う比較的体力があるものの諸症]

 

組成

カッコン4.0

タイソウ3.0

マオウ3.0

カンゾウ2.0

ケイヒ2.0

シャクヤク2.0

ショウキョウ2.0

 

副作用

偽アルドステロン症

ミオパチー

黄疸

肝機能異常

悪心・嘔吐

動悸

頻脈

胃部不快感

発疹

発赤 など

 

 

 医療機関で医師が処方する漢方薬は、患者様の現在の症状を詳しく問診した上での適切な漢方薬の選定と、全量処方となるため、市販の同名の漢方薬とは作用効果が違う点と、他の不随する症状によっては他の漢方薬が適切である場合もあるため、自己判断での漫然とした内服は効果が乏しいばかりでなく、思わぬ副作用に見舞われる場合もあり危険です。

 漢方薬は副作用がないと勘違いされている患者様もいらっしゃいますが、漢方薬にも必ず副作用があります。

 症状でお悩みの場合は一度、漢方外来がある精神科や心療内科の受診をし、医師の管理下で正しい漢方薬の知識の習得と適切は内服を推奨致します。

 

当院では一人一人の心の声をお聞きし、長期的に依存性の少ないお薬から心の処方箋をお出しすることを心がけて日々診療にあたっております。 

 

 

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