過敏性腸症候群とは、内科的な異常がないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、お腹にガスが溜まり腹部膨満感などの症状により日常生活に支障を来す病気です。
過敏性腸症候群は、幼少期からの食習慣に起因する生活習慣病の側面もあるため、これらの不調の原因に対する栄養療法としてFODMAP(フォドマップ)が知られています。
FODMAP(フォドマップ)とは小腸内で消化・吸収されず、大腸で発酵性を有する糖類の総称です。
F(fermentable):発酵性の糖質
O(oligosaccharides):オリゴ糖
D(disaccharides):二糖類
M(monosaccharide):単糖類
A(and)
P(polyols):糖アルコール
<高FODMAP食(FODMAPを多く含む食品)による作用機序>
1.口から摂取した食べ物は食道→胃→小腸へ送られる
2.消化の良い糖質は小腸のポンプより吸収される
3.一方、FODMAPは非常に吸収が悪くこれらを多く含む食品を食べ過ぎると小腸内で濃度が増える
4.人間の体は濃度を薄めようと、大量の水分が小腸内に引き込まれる
5.水でいっぱいになった小腸は、刺激を受け蠕動運動が過剰になる→腹鳴、腹痛、下痢を引き起こす
6.吸収されなかったFODMAPは大腸に到達する
7.大腸内の腸内細菌のエサとなり、大腸内で過剰な発酵を起こす→ガスの発生、腹部膨満感、便秘
<低FODMAP食(FODMAPが少ない食品)による栄養療法>
高FODMAP食(FODMAPを多く含む食品)を控え、お腹の不調を改善させる食事療法で、まずは4週間ほど継続します。完全に高FODMAP食(FODMAPを多く含む食品)を除去できなくても意識的に摂取量を減らすことで、お腹の症状が軽減することが知られています。
次回は具体的な高FODMAP食(FODMAPを多く含む食品)と低FODMAP食について説明します。
銀座スピンクリニック
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