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精神科 アルコール依存症⑥ 離脱症状と退薬徴候とは

 飲まなくなって数時間たつと出始める症状(早期離脱症候)として、手の震え、発汗、発熱、不眠、精神的なイライラなどがあります。これらの症状は飲酒によって改善するため、とにかくアルコールを身体に入れなければいけないとさらに飲酒行動に走ってしまいます。
 ひどくなるとてんかん発作や幻聴が見られることもあります。
 
 飲酒を中断して、2,3日経過してから出始める症状(後期離脱症候)として、幻視、見当識障害、意識障害、不安、興奮、振戦、発汗(振戦せん妄)などがあります。これらの症状は飲酒しても改善せず、アルコール専門病院での治療が必要となります。
 
 その他、遷延性の退薬徴候として、落ち着かない、多動、易怒性、易刺激性、衝動的、短絡的、不安焦燥、抑うつ気分などを呈することがあります。これらの情動障害の背後には意識されなくても飲酒欲求が潜んでおり、アルコール依存症の精神依存の反映として理解できます。

 

<飲酒中止からの時間と離脱症状の例>

飲酒中止からの時間

離脱症状

早期(飲酒をやめて48時間以内)

不安焦燥(イライラ、不安感)、抑うつ、発汗、ドキドキ、振戦(手が震えること)、発作(てんかん発作と同じような発作を起こすことがある)、幻視、幻聴

後期(7296時間以内)

振戦せん妄(精神運動興奮、幻覚、意識変容(ボーっとする)、小動物視)

非暗示性の亢進(リープマン現象)(「何か見えるでしょう?」と言うと「見える」と答える)(患者に目を閉じた状態で、指で目を抑えて「見えるでしょう?」と聞く)

 

 

 

銀座スピンクリニック 

心療内科 精神科

 

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