DSM-5を見ると非常に多くの依存性薬物がリストアップされており、圧倒されるかもしれません。依存性薬物を抑制系(ダウナー)と興奮系(アッパー)に分けると理解しやすいです。
ダウナー系薬物の代表は、アルコールやベンゾジアゼピン系薬物(抗不安薬や睡眠薬の多くがこの系統)、アヘン系、バルビツール類(現在はあまり使わない昔の睡眠薬)、有機溶剤(主にシンナー)、大麻などです。
アッパー系薬物の代表は、コカイン、覚せい剤、LSD、ニコチンなどです。なお、麻薬、向精神薬、覚せい剤などと呼ぶのは法的な分類であり、この分類は国によって異なります。
下の表からもわかる通り、アルコールはダウナー系の依存性薬物であり、精神依存と身体依存と耐性のすべてをきたす薬物です。
<主な依存性薬物>
中枢神経抑制作用(ダウナー系) |
中枢神経興奮作用(アッパー系) |
モルヒネ・ヘロインなどのオピオイド(麻薬) バルビツール ベンゾジアゼピン アルコール シンナー・トルエンなどの有機溶剤 大麻 危険ドラッグ(合成アンナビド系) |
覚せい剤 コカイン LSD MDMA ニコチン 危険ドラッグ(カチノン系) |
<様々な薬物の特徴>
中枢作用 |
薬物のタイプ |
精神依存 |
身体依存 |
耐性 |
催幻覚 |
精神毒性 |
法的分類 |
抑制 |
アヘン類 |
+++ |
+++ |
+++ |
- |
- |
麻薬 |
抑制 |
バルビツール類 |
++ |
++ |
++ |
- |
- |
向精神薬 |
抑制 |
アルコール |
++ |
++ |
++ |
- |
+ |
その他 |
抑制 |
ベンゾジアゼピン |
+ |
+ |
+ |
- |
- |
向精神薬 |
抑制 |
有機溶剤 |
+ |
± |
+ |
+ |
++ |
毒物劇物 |
抑制 |
大麻 |
+ |
± |
+ |
++ |
+ |
大麻 |
興奮 |
コカイン |
+++ |
- |
- |
- |
++ |
麻薬 |
興奮 |
覚せい剤 |
+++ |
- |
+ |
- |
+++ |
覚せい剤 |
興奮 |
LSD |
+ |
- |
+ |
+++ |
± |
麻薬 |
興奮 |
ニコチン |
++ |
± |
++ |
- |
- |
その他 |
銀座スピンクリニック
心療内科 精神科
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