· 

産業医コラム コミュニケーションの実践①

 日本人は比較的褒めることが得意ではありません。前述のとおりコミュニケーションの基本の一つに、「相手を褒める」ということがあります。褒めたり、ねぎらったりするというのは、相手を、そして相手の努力を認めることにほかなりません。

 

悪い例

部下:課長、なんとかA現場の工事を完了しました。

課長:わかった。

部下:グループメンバーも厳しい条件の中で頑張ってくれたので、予定の工期内に済ませることができました。

課長:そうか。

部下:はい。…

 

 課長は部下の言うことに対応はしていますが、いかにも関心が乏しく、部下の仕事ぶりを認めることが不十分ですね。部下がさらに説明を加えていることからも、認めてほしいという思いが伝わってきます。できて当たり前、という反応で済ませず、褒めて、ねぎらう言葉を付け加えましょう。

 

いい例

部下:課長、なんとかA現場の工事を完了しました。

課長:そうか、ご苦労様。厳しい工期によく間に合わせてくれたね。

部下:グループメンバーが頑張ってくれたので予定通り済ませることができました。

課長:君の指示とサポートが適切だったからだよ。これからはもっと大きな現場を任せることになると思うけれど、よろしく頼むよ。

部下:はい、ありがとうございます。

 

 

 褒めて、ねぎらうことによって、部下は達成感と自己成長を実感し、やる気を高めます。そこが成長のチャンスですから、褒めた後で次の課題を示すことも効果的です、部下が少しでもいい行動をとったり、これまでもよりも優れた実績を挙げたりしたときには、惜しみなく褒めましょう。粗さがしは自然に行ってしまうものですが、褒めるためには相手のいい点を見つける努力も必要です。

 

 

銀座スピンクリニック 

精神科 産業医

 

受付時間 平日11:00~19:30 

     土日祝11:0017:00 

     TEL03-6264-5125