叱るというのはなかなか難しいものと感じている職場リーダーは多いと思います。もちろん、「叱る」前提として、部下との普段からの信頼関係というベースは必要不可欠です。叱る際は、感情からではなく、部下の成長を促す、という意識が大切です。
悪い例
部長:君、この積み上げ方はだめだ。やりなおし!もっとちゃんとやれよ。この前言っただろう。
部下:はい。その通りやったつもりですが。
部長:違うだろう。わかっていないじゃないか。
部下:はあ。
部長:もう入社3年目だろう。情けないやつだな。
部下:すみません。
部長:さっさとやってくれよ。まったく、余計な世話かけるなよ。
部下:…
これでは、注意された部下はどこがまずかったのか、どう直すべきかわからず、納得できないまま、その場しのぎで謝っているばかりです。部下に自分で考える習慣をつけてもらうことも必要ですが、こういった場面では、理由がわかるように叱ることが大事です。そして、より具体的に、手短に伝えるようにして、決して本人の人格をけなしたり、否定したりするようなことは避けるべきです。「叱る」ことは「怒る」こととは違い、相手の成長を目指す行為なのです。
いい例
部長:〇〇君、この積み上げ方は違っているよ。せっかくやってくれたんだけど、もう一度やり直してくれるかな。
部下:え、どこがまずかったですか。
部長:サイズもカラーも同じだけど、AタイプとBタイプは別の列にするんだ。小さい文字だけど箱に書いてあるよね。別の列にしたほうが、取り出すときに手間がかからないだろう。
部下:あ、そうでした。前回、説明を受けたのにうっかりしました。すみません、見た目が違わないので、気が付かなかったです。
部長:両方ともよく似ているからね。だからこそ十分に気を付けないとね。
部下:じゃあ、これから目印用の小さなシールを貼るようにしたらどうでしょう。
部長:ああ、それはいいアイデアだね。〇〇君に頼んでいいかい。
部下:はい、まかせてください。
災い転じて福となす、ということでしょうか。叱るタイミングも、部下の気づきと成長を促す絶好のチャンスです。同じ間違いを繰り返さないよう説明するばかりではなく、本人の良さもフィードバックしてあげましょう。
また、良好なコミュニケーションのためには、名前を呼んで話しかけることも大切です。
銀座スピンクリニック
精神科 産業医
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