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精神科 避けるべき飲酒等5か条について

 避けるべき飲酒や飲酒に関連した行動には、例えば以下のようなものが挙げられています。飲酒をする場合には、自分が現在どのような状況にあるのかを確認し、飲酒に適するかを個別に判断していく必要があります。

 

1.一時多量飲酒(特に短時間の多量飲酒)

 様々な身体疾患の発症や、急性アルコール中毒を引き起こす可能性があります。一時多量飲酒(1回の飲酒機会で純アルコール摂取量60g以上)は、外傷の危険性も高めるものであり、避けるべきです。

 

2.他人への飲酒の強要等

 飲酒は様々なリスクを伴う可能性があるものであり、他人に無理な飲酒を勧めることは避けるべきです。併せて、飲酒を契機とした暴力や暴言・ハラスメントなどにつながらないように配慮しなければなりません。

 

3.不安(1)や不眠(2)を解消するための飲酒

 不安の解消のための飲酒を続けることによって依存症になる可能性を高めたり、飲酒により眠りが浅くなり睡眠リズムを乱す等の支障をきたすことがあります。

 

4.病気等療養中の飲酒や服薬後の飲酒(病気等の種類や薬の性質により変わります)

 病気等の療養中は、過度な飲酒で免疫力がより低下し、感染症にかかりやすくなる等の可能性があります。(3)また、服薬後に飲酒した場合は、薬の効果が弱まったり、副作用が生じることがあります。(4)飲酒の可否、量や回数を減らすべきか等の判断は、主治医に尋ねる必要があります。

 

5.飲酒中または飲酒後における運動・入浴などの体に負担のかかる行動(5,6)

 飲酒により血圧の変動が強まることなどによって、心筋梗塞などを引き起こす可能性や、転倒などにより身体の損傷を引き起こす可能性があります。

 

参考文献

(1) Anker JJ, Kushner MG: Co-Occurring Alcohol Use Disorder and Anxiety: Bridging Psychiatric, Psychological, and Neurobiological Perspectives. Alcohol Res. 2019 Dec 30; 40(1): arcr.v40.1.03.(不安障害の不安解消の飲酒が依存症の原因になることがある)

(2) Chakravorty S, Chaudhary NS, Brower KJ: Alcohol Dependence and its Relationship with Insomnia and Other Sleep Disorders. Alcohol Clin Exp Res. 2016; 40(11): 2271–2282. (睡眠に対する飲酒の悪影響)

(3) Szabo G, Saha B: Alcohol's Effect on Host Defense. Alcohol Res. 2015; 37(2): 159-170. (過度な飲酒による免疫力の低下)

(4) 梅田悦生: アルコールと医薬品の相互作用. 2002. 中外医学社. 東京(お酒と薬の飲み合わせの解説)

(5) Roine R, Luurila OJ, Suokas A, Heikkonen E, Koskinen P, Ylikahri R, Toivonen L, Härkönen M, Salaspuro M: Alcohol and sauna bathing: effects on cardiac rhythm, blood pressure, and serum electrolyte and cortisol concentrations. J Intern Med. 1992 Apr; 231(4): 333-338. (飲酒時の入浴で血圧低下)

(6) 沢田芳男: 酒と身体運動. 日本釀造協會雜誌. 1976; 71(4): 208-211. (飲酒後の運動)

 

 

銀座スピンクリニック 

精神科 心療内科

 

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