自律神経失調症という病名とその診断
自律神経失調症という病名は、医学的には正式な病名ではありません。なぜなら、自律神経の乱れが関係していそうな症状があらわれているだけで、検査値で自律神経の失調が確認できるわけではなく、また、原因を専門的に分析すれば、軽症のうつ、神経症、不安障害などの病名をつけることも可能だからです(本当に自律神経が障害されて起きる場合もありますが、そう多くはありません)。
自律神経失調症は、これらの病気の症状の部分のみをまとめて表現した言葉だといえます。正式な病名でないこの言葉が多用されるのは、暫定的に自律神経失調症と診断して、適切にストレスを管理し対症的治療をすれば、重度のうつや神経症に至ることなく、症状が軽快することが多いからです。また、患者さんも医師に「自律神経失調症で、大きな病気ではありません」と言われると安心できる、という面もあります。
もちろん、自律神経失調症の診断には、からだに異常がないこと、明らかな精神的病気がないことの確認が必要です。医師は常にその可能性を考えて診察していますから、そのような異常や病気が見つかれば、その治療を進め、必要があれば専門医を紹介してくれます。
銀座スピンクリニック
精神科 心療内科
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