アルコール依存症の診断基準(ICD-10)
以下のうち3項目以上が、1カ月以上にわたり同時に生じていたか、あるいは持続期間が1カ月未満 であれば、過去12カ月以内に繰り返し同時に生じた場合にアルコール依存症と診断されます。
1 渇望
飲酒したいという強い欲望あるいは切迫感がある。
具体例:
- 隠れてでも飲んでしまう
- お酒が手元にないと不安
- 仕事中でも酒の事ばかり考えている
- 仕事が終わったら1人でも必ず飲みに行く
- 仕事中でも飲んでしまう
2 飲酒行動の コントロール不能
飲酒行動(開始、終了、量の調節)を制御することが困難である。
具体例:
- いつも泥酔するまで飲んでしまう
- 休肝日と決めても飲んでしまう
- 飲み始めたら止まらない
- 前もって決めていた量以上に飲んでしまうことがしばしばある(例えば2杯までと決めていたのに3、4杯飲んでしまう)
3 離脱症状
断酒や節酒による離脱症状の出現、離脱症状の回復、軽減のために飲酒する。
具体例:
- イライラする
- 吐き気
- 微熱がある
- 手がふるえる
- 頭痛
- 眠れなくなる
- 寝汗をかく
- 食欲がない
- 脈が速くなる
- 迎え酒をする
- 振戦せん妄がある
4 耐性の増大
当初得られた酩酊効果を得るために、飲酒量が増加する。
具体例:
- 飲む量が増えている(※)
- たくさん飲まないと酔えなくなった
※習慣的に飲酒するようになってから、飲酒量が純アルコール量で女性40g超、男性60g超、かつ50%以上増加
5 飲酒中心の生活
飲酒のために、本来の生活を犠牲にする、飲酒に関係した行為や、アルコールの影響からの回復に費やす時間が増加する。
具体例:
- 1日中飲んでいる
- 1日中酔いが続いている、もしくは酔いからさめるのに多くの時間を使っている
- 趣味などの活動よりお酒を優先させる
6 有害な使用に対する抑制の喪失
心身あるいは社会生活・家庭生活に問題が生じているにもかかわらず、飲酒を続ける
具体例:
- 医師から、うつがひどくなるため飲酒を止められているのに飲んでしまう。
- 健康診断で指摘されているのに飲んでしまう
アルコール依存症は進行性の病気です。
自力で飲酒量のコントロール、減量が難しい場合は、早めの精神科への受診をお勧めします。
銀座スピンクリニック
精神科 心療内科
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